risuのメモ

ミニ四駆やらDIYやら雑多な趣味のブログ

2019年4月18日木曜日

【ミニ四駆】回るローラーの作り方【加工ネタ】

今回は回るローラーの作り方です.520ボールベアリングを使うミニ四駆用ローラーを回るようにする方法の紹介です.


開封した状態の新品ローラーはそのままではほとんど回りません.ローラーが回らなくてもマシンの速度には関係ないと言う人もいますが,ローラーと名乗るからにはしっかり回ってもらいたいものです.回らないローラーはローラーじゃない.そんな信条の人に是非試してもらいたい方法です.

用意するものはこちら

4.995mmのハンドリーマ
・ベアリング交換ツール
・ユニクリーナー
・小瓶
・ネジ止め剤
・ローラー
・新品のベアリング

まずはベアリングの下処理です.いわゆる”脱脂”と言われる作業です.新品の520ベアリングを小瓶に入れ,しっかり浸かるくらいにユニクリーナーを注ぎます.蓋をしめて振ってやるとグリスが溶けだして濁ります.十分に脱脂できたら濁ったユニクリーナーを新品に入れ替えてそのまま放置します.廃液の処理は各種法令にしたがいましょう.


次はローラー本体の加工です.専用工具などでベアリングをローラーから取り外します.取り外したベアリングを脱脂して使ってもいいですが,歪んでいるので確実な効果が欲しいなら新品をおすすめします.

4.995mmのストレートリーマでローラーの穴を拡張します.斜めに入ってしまうと穴が楕円になったりがばがばになったりするので慎重に行います.

拡張前

拡張後

最後にベアリングとローラーをネジ止め剤で固定します.穴を拡張するとベアリングの保持力が弱くなるので,トラブル防止のためにネジ止め剤を保険として塗布します.ネジ止め剤は粘度があるのでベアリングの内部に入ることは希ですが気をつけて作業します.入っても硬化には時間がかかるのでユニクリーナーやパーツクリーナーなどでリカバリできます.

1日おいてネジ止め剤が硬化したら完成です.ピンセットなどに取り付けて滑らかな回転にニヤニヤしましょう.

この段階で回らない場合はユニクリーナーをベアリングにかけて何度か指で弾いてやると回ることがあります.

何をしても回らない場合はネジ止め剤がベアリングの内部にまで入ってしまった可能性があります.新品のベアリングに交換しましょう.また脱脂を行っているのでベアリングは錆びやすくなっています.コンディションを保つために小まめにユニクリーナーを注入します.長く走らせない場合はローラーだけ外してユニクリーナーにつけて保存します.

最後になぜ買ったままのローラーは回らないのか説明します.ミニ四駆のベアリングローラーはローラー本体と520ボールベアリングの2つのパーツで構成されます.ローラー本体はアルミの塊です.ボールベアリングはさらに細かいパーツに分解されます.内側から内輪,ボールと保持器,外輪です.ボールが転がることで内輪(に固定されたマシン)と外輪(に固定されたローラー本体)の摩擦が減少し滑らかに回転します.ローラーが回らないというのはこのボールが滑らかに転がらない状態のことです.買ったままの状態ではボールが転がらないのには大きく2つの原因があります.1つ目は粘度の高いグリスです.防錆のために注入されているグリスですが,最初から入っているものは粘度が高くてボールの転がりを阻害します.”脱脂”という作業はこのグリスを除去する作業です.2つ目はベアリングにかかる高い圧力です.ベアリングとローラー本体は”圧入”により固定されています.ローラーでベアリングを締め付けるように保持されてます.この力が強すぎるとベアリングが変形し,内輪と外輪でボールが挟まれて動きにくくなります.”拡張”という作業はこの力を抜いてやる作業です.

今回の加工は比較的高価な道具を用いた方法です.ベアリング交換ツールは自分が使っているPotential Racing製のもの以外にもSIG.WORKSえのもとサーキットからも発売されています.こういう専用工具が複数社から発売されているというのはいい時代ですね.ベアリングの取り外しだけなら片軸用のカウンターギヤで代用する方法もありだと思います.拡張に使うストレートリーマは真鍮ピニオンで代用する方法もあります.代用方法でも十分な効果は得られますが慣れが必要です.専用工具の方が簡単でミスは少ないかなと思います.

ローラーは回る方が気持ちがいいです.是非お試しください.

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